青梅店ニュース
- 貨物自動車における荷役作業の墜落・転落防止対策について[2023.08.24]
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コバック青梅店より情報発信になります。
令和5年10月1日施行の新たな規則になます。
労働安全衛生規則等一部改正
【改正の趣旨と省令案要綱のポイント】
※以下、厚生労働省資料より引用
①現在、最大積載量5トン以上の貨物自動車については、昇降設備の設置義務および荷役作業を行う労働者の保護帽着用が義務付けられていますが、これらの義務の対象となる貨物自動車を、最大積載量2トン以上の貨物自動車に拡大します。
なお、保護帽を着用させる義務の拡大については、荷台の側面が構造上開閉できるもの等、昇降設備が備えられている箇所以外の箇所で荷役作業が行われるおそれがあるものや、テールゲートリフターが設置されているもの(テールゲートリフターを使用するときに限る)とします。
②荷役作業を伴うテールゲートリフターの操作の業務を、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第59条第3項の安全または衛生のための特別の教育が必要な業務とします。
③貨物自動車の運転席とテールゲートリフターの操作位置が異なる場合、運転者が運転位置を離れるときの原動機の停止義務等について、適用を除外します。
これらを簡単にまとめると、改正ポイントは下記の3点です。
①昇降設備や安全帽の着用義務化となる対象車両が最大積載量2トン以上に拡大される
②テールゲートリフター特別教育が義務化となる
③運転者が運転位置を離れるときの原動機の停止義務等について、適用を除外する
①昇降設備や安全帽の着用義務化となる対象車両が最大積載量2トン以上に拡大される
これまでも、最大積載量5トン以上のトラックで荷物の積み下ろしやロープ掛け・解き作業を行う際には、墜落による危険を防止するため、従事する労働者に保護帽を着用させることが義務付けられていました。
また、作業従事者が安全に昇降するための設備(脚立や昇降ステップ、足掛け手掛け等)を設けなければなりません。
今回の改正では、これらの義務化対象が最大積載量2トン以上のトラックに拡大されます。
保護帽の着用に関しては、平ボデーやウイング等の側面が開閉できる構造の車両、
側面が開閉しないバンボデーであっても、テールゲートリフターを使用する際に限り保護帽着用が必要となります。②テールゲートリフターの特別教育が義務化となる
事業者に対し、テールゲートリフターを使用する者に対する教育を法令上義務付けることになりました。
テールゲートリフターに関する知識、テールゲートリフターによる作業に関する知識及び関係法令の科目に係る学科教育(計4時間)及び、テールゲートリフターの操作の科目に係る実技教育(2時間)を新たに規定するもの。
こちらは令和6年2月1日から適用となり、それまでに特別教育を受ける必要があります。災害の防止にはテールゲートリフターの機能や危険性を正しく認識した上で、安全な作業方法等を身に着けることが有効です。
しかし、講習を受ける為の拘束時間を考えると、できるだけ早めに準備が必要です。
③運転者が運転位置を離れるときの原動機の停止義務等について、適用を除外する
テールゲートリフターを操作する際に、原動機停止の状態では操作することができない種類も存在することから、原動機の停止義務は除外されました。
テールゲートリフターの操作においては、原動機を動かさなければテールゲートリフターが動かない構造のものも存在することから、運転席とテールゲートリフターの操作位置が異なる場合においては、逸走防止措置を引き続き義務付けるが、原動機の停止義務については適用除外とすること等とするもの。
テールゲートリフターが起因する労働災害は、令和2年度の一年間で330件発生しているそうです。そのうち4割以上が休業見込日数60日以上を超えており、災害の内容も重いことが分かります。また、死亡事故も複数件発生しています。
陸運業の墜落・転落による死亡災害の分析では「最大積載量5t以上のトラックからの災害が約5割、最大積載量2t以上5t未満のトラックからの災害が約4割」との結果がでています。
5トン未満のトラックでは、保護帽の着用義務が無かったことから、保護帽を着用しておらず死亡事故に繋がったケースもあったようです。
これまでの5トン以上ルールでは、荷役作業における安全確保は不十分であったといえますね。改正前であっても、可能な限り保護帽の着用や昇降設備の使用を心掛けましょう。